プロフィール

お名前 荻野 久美子(おぎの・くみこ)
職業 株式会社マミーゴー 代表取締役
ご家族 旦那様、2人の姉妹(長女3歳、次女0歳)

以前は専業主婦志望だったが、短大2年のときに父親がリストラにあい、仕事をしていくことに。6歳上の兄と空間デザインの会社をつくり、会社が軌道に乗った際、主婦が社会で活躍できる仕組みづくりが必要と感じ、2010年ヒメルリッチを起業。

ヒメルリッチでは、「お稽古ポータルサイト」を中心とした教育事業を行い、そのユニークなビジネスモデルが評価され、経済界「金の卵発掘プロジェクト2011」特別賞を受賞。
人材教育の出口につなげる手段として様々な取り組みのあと、マミーゴーを立ち上げ、ITビジネスサポート・Web制作・プロモーション支援に取り組んでいる。

出産の次の日には子供を横に見ながらパソコンやスマホで仕事をしていた

「仕事」に対する取り組み度は何%

子連れワークや早朝ワークをしながらバリバリ頑張ってるから120%

産後どれくらいから働いていらしたのですか?

1人目も2人目も帝王切開で、2人目の時は予定帝王切開だったので日にちが決まっていて、打ち合わせをした後「今からいってきます」という感じで出産して、次の日は、子供を横に見ながらパソコンやスマホで仕事をしていました。

お身体的に辛かったりしませんでしたか?

あまり人には言っていないのですが、出産後の数日、産後うつのような症状がありました。帝王切開なので痛くて、お腹も肩も痛いし3日間ぐらい歩けない状態になって、赤ちゃんは夜に泣くし、もう無理~!と思って、病室で泣いていたことがありました。

子供を中心にしたタイムスケジュールを制作

子供を中心にしたタイムスケジュールを制作
≪写真:荻野さん マミーゴー主催のイベントにて≫

今と昔、子育てと仕事の両立は?

長女の時は、夜21時くらいに仕事から帰ってきて、子供は主人のお母さんに預けて、という感じでした。平日の夜ごはんといえば、長女はお母さんが作ったものを食べ、私たち夫婦は惣菜屋さんで適当なおかずを買って自宅に帰り食べて寝るという生活。全く育児をしていなかったです。
その時の娘への口癖が「ごめんね」でして、すごく辛かったです。

私は「主婦・ママの働くを作りたい」と言いながら、そのために自分が無理をして仕事をしていました。2人目の出産の前に、長女と2人で過ごす時間はあと少ししかないということに気が付いた時、もっと長女に何かしてあげられたら、とすごく後悔しました。
2人目の出産を機に、子供を中心にしたタイムスケジュールを作ることにしました。朝6~8時にはご飯をつくる、子供の支度をする、子供と公園に行く、というのもタスク化して、なるべく子供との時間をつくるようにしました。

育児をしながら働く中で一番辛かった事や悩んだ事は?

1人目の子育てが出来てないというところで、仕事と育児の時間の配分バランスが難しくて悩みました。
自分にあったやり方、タイムスケジュールを決めることから始めて、寝室にタイムスケジュールを貼っておいて、仕事をやりすぎていないか等、バロメーターとしています。

タイムスケジュールのほかに何か張っていたり?

貼っています!
ドリームマップという自分の夢とか目標を書いたりするものがあって、毎日見るために、毎年1月3日に主人とそういう時間を設けて、仕事のことやライフスタイルのことを全部ビジュアル化して分かるようにしています。主人の分と私の分とで貼っていて、今できているかなど話し合っています。

仕事をするほうが夫婦円満

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≪写真:荻野さん マミーゴー主催のイベントにて≫

仕事をする女性を作りたいというのは、仕事をするほうが夫婦円満になると思っているからです。
人間って究極、その人の立場にならないとわからない。寄り添う事はできても本当の意味では分からない。
仕事をお互いに頑張っているからこそ、アドバイスができたり旦那さんの言葉を受け入れられるようになると思います。そういった意味でも夫婦円満になるから、みんなやろうよー!ということを私は言いたいです!

周りの方のご理解というものはあったのでしょうか?

私の家族やまわりの方はすごく応援してくれています。ただ、本人からは全然言われないのですが、主人の前で仕事をしづらいというのはあります。もっと家族を見ないといけない、という罪悪感が常に自分の中にあります。

コミュニティの中での学びがある

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≪写真:マミーゴー主催のイベントの参加者と荻野さん≫

荻野さんにとって仕事と子育てそれぞれの楽しさとは何でしょう?

仕事の目的は人それぞれだと思うのですが、「経済的な理由」と「自己実現」大きく分けて2つあると思っています。私は「自己実現」が特に大きな理由で、仕事を通して社会に役立てたりとか、好きな人に出会える。そういう仕事をしていく女性をつくりたいと思っていて、それが楽しさ・やりがいですね。
育児に対しては、まだまだなのでむしろいろんな人から教えてもらいたいです。
子供のコミュニティを通して、良いママ友と出会い、そのコミュニティの中での学びがすごくある。

今まで出会ってきた人の中で印象的な方はいらっしゃいますか?

幼稚園のお祭りがあったのですが、ママが子供の前でダンスをお披露目するということがあって、その衣装をKさん達が中心となって作ってくれてました。“荻野さんは仕事が忙しいから私たちに任して”と温かくサポートしてくれた時は、本当に感激でした。
仕事はお金という対価がありますが。その衣装作りはそういうものが全く無いのにも関わらず、子供の笑顔のために、それを作ったママの気持ちがすごいなと。子供の笑顔やその人を通して、いろんな活躍の仕方があるとママ友から学ばせていただきました。

今でもお付き合いがある?

はい。そして私が一方的に大好きな方です。
他にも、仕事をしているからと心配して、保育園の預け先リストを送ってくれるママがいたり、子供を迎えにいくよと気遣ってくれるママがいて、本当に環境に恵まれているなと感じています。

1人でも多くの女性の「働く」を作る

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≪写真:荻野さん インタビューに応える様子≫

働くママを増やすことで世の中をどう変えていきたい?

今マミー部には300人いるのですが、実際仕事があっても、手を挙げる人が多くない。300人中300人が手を挙げるわけじゃない。それには環境とか色々と理由があると思うんですけど、やっぱりママ自身もマインドの変革をしていかないといけないなぁというのはすごく思う。
社会情勢をみると就労率が下がってきていて、子供たちのことを本当に考えるのであれば、私たちが活力にならなければならないと思います。
その活力を上げるためにも、スキルアップはもちろんのこと、ママ達が働くことにポジティブにならなきゃいけないと思っています。

意識改革ですね。
他の会社は社会を変えていく、制度を変えていくというものが多いと思うのですが、それだけじゃなくて、ママからのアクションを増やすというところに目を向けてらっしゃる。

「保育園が無いから」「社会が悪いから」「会社が受け入れてくれないから」など責任の矢印が外に向いている人ってすごく多いと思うのです。
確かに、しょうがないかもしれない。でも、弊社マミーゴーの活動やクラウドソーシングといったようにどこでも働ける場はあるわけです。

※クラウドソーシング
企業が主にインターネットなどを利用して、不特定多数の人材に向けて外注を行うこと。プロジェクトの参加者は必ずしもプロフェッショナルではなく、作業に見合うだけの知見や技術を活かして、余暇に作業を行ったりする。

その情報のインプットがもしかしたら足りていないのかもしれない。だったらそういう場があることを教えていく必要があると思います。外に矢印を向けるのは楽です。でもすぐには何も動かない。

私の場合で言うと矢印を自分に向けた時、「子連れワーク」「在宅ワーク」「時短勤務」が出来る環境を弊社スタッフに提供しようと考えました。社会を変えるのはなかなか難しいから、会社が変わるべきだと思っています。
そして、アクティブに「仕事をしたい!」という人や環境を作っていきたいです。

インタビューを終えて

私の心に、荻野さんの『「人」をつくりたい』という言葉が、今も強烈に焼き付いています。
それは、ママの気持ちと会社を変え、社会を変えていくという強いエネルギー。
子育てと仕事で様々な失敗と経験から生まれた、この先の日本の未来を見据えた、荻野さんの心の底からのメッセージだと私は思っています。

ママの「働く場」がたくさんある社会に。
環境の有無にとらわれず、様々な仕事の情報が簡単に得られる時代に。
そして、仕事と育児のバランスをとりながらもしっかりと収入が得られる社会に。
人の意識改革と会社・社会の改革は隣り合わせ。

みなさんの「働く」はどうですか?